北海道大学
自己採点 88%

 入試数学滅多切り第二回は、北海道大学をお送りしたいと思います。
 北海道大学の前身は北海道の開拓使仮学校でした。それが札幌農学校を経て東北帝国大学農科大学となり、その後独立して第五の帝国大学となりました。つまり、東北大学の分家なわけですね。
 札幌農学校の初代教頭は、かの有名なクラーク博士です。「少年よ、大志を抱け!」という言葉は、札幌をクラーク博士が旅立つときに、見送りに来た学生達に向けて言われたものでした。この言葉の後に続くとされるものには、二つの説があります。一つは
「この老人(私)のように」
もう一つは
「金のためまたは利己的栄達の為にでもなく、ましてや人よんで名誉と称する空しきもののためにでもない。知識に対して、正義に対して、かつ国民の向上のために大志を抱け。人としてまさにかくあらねばならぬ全ての事を達成せんとするために大志を抱け。これはウィリアム・スミス・クラークからのメッセージであった。」
というものです。後者の方が有名なのは、雑誌「天声人語」に載ったものだったからだそうです。北海道の広大な大地で大志を抱く青年、それが、北海道大学の求める学生像なのかもしれません。


 話は変わりますが、北海道と言えば、真っ先に思い浮かぶのが海鮮食材ですね。ええ、筆者は海鮮の方が好きですから牛という説を軽く無視しましたが、何か?この間、北海道に住んでいる知人に「瓶詰のイクラを買ってきてくれ」と頼んだら、「俺は内陸に住んでいるため、それはメンドイ。北海道の広さナメんな!」と言われてしまいました。薄情な奴ですな。北海道で海鮮丼を食べてみたくてしょうがないわけですよ。ああ、食べたい食べたい!青春18切符で東京から北海道まで行くとどれくらいかかるのでしょうか?泊まる場所は…いいんですよ、件の知人の家におしかけてしまえば!よし、来年の秋休みは北海道行きます!確定です!


 さて、本題に入りましょう。二時間で五問は一見きついように感じますが、一問一問が軽いために、これもまた時間通りに終わるはずです。余裕もなければ無理もない。難易度もそれほどバラつきはなく、得意な問題を確実に解いていけば、60%取るのは容易なはずです。問題は、80%を超えることが意外と難しそうなところでしょうか。


各問講評

第一問 立体図形
 いきなり空間図形の、しかも、展開図から立体を想像しなければならない問題をぶつけてきました。立体が苦手な人は、そそくさと第二問に移行したことでしょうが、直角が二つあるのを見て空間座標を用いれば楽かもしれないと気づけば、意外と簡単に解けてしまいます。立体をそのまま想像することは大変困難です。平面図形すら困難だから図を書いているのに、立体になったら図も書けないし情報量は平面より多いしで、把握できるわけがありません。だから、座標やベクトルという便利な道具を習う訳です。

第二問 平面幾何・数列の極限
 合計すると斜辺以外の辺の長さが相殺されてしまいますが、最初は戸惑った方もいるかもしれません。それでも、kは1からn-1までであって、nまでではない等々の細かいミスに気をつければ、比較的容易に正解できたことでしょう。標準的な問題です。

第三問 座標
 t>0とわざわざ明記することで、図形的に解きやすくしてあります。計算もさほどしんどいものではなく、標準的な問題です。

第四問 座標とベクトル・最大最小
 直線の式などを用いて処理したくなる気持ちもわかりますが、内積の図形的意味を用いれば簡潔な解答を書くことができます。微分の計算もさして難しくなく、確実に抑えたい標準問題です。

第五問 微積分総合
 積分した値を数列にした問題です。類題をやったことがあれば、(3)以外は容易にできたはずです。(3)ができるかどうかが、医学部の合否を分けたのかもしれません。




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